43年前のセーター

 名古屋柳城短大・名古屋柳城女子大のある場所に、1950(昭和25)年から1993(平成5)年まで「幼児研究所」という名称の附属幼稚園(保育施設)があったのを知っていますか。

 先日、幼児研究所1期生のKさん(1953年度卒園)が本学を訪ねてくださり、幼児研究所の教員、高橋蔦(つた)先生との思い出をお話しくださいました。また、当時の園章など貴重な資料をご寄贈いただきました。

幼児研究所

 Kさんのお話です。「(研究所は)広い運動場があって、イースターとかクリスマスの行事が楽しかった、ブドウ棚があったので、秋に実ったブドウを食べるのも楽しかった」

「高橋蔦先生はいつもきれいでおしゃれな先生、とても優しくて、若い先生とも親しく関わっておられた。幼児研究所では、人にやさしくということを教えられた」

高橋蔦先生

 当時のことをいろいろ思い出してお話ししてくださいました。お話をお聞きして、イースターが昭和20年代に行われていたことに驚きました。おやつのジュースなども他では飲めない味でおいしかったそうです。

 卒園後も高橋先生とKさんは親交があり、43年前、ご自分の結婚式のスピーチを高橋先生に頼まれたそうです。スピーチの録音が残っており、聞かせていただきました。優しく懐かしそうにKさんのことを話される高橋先生のお声に、幼児研究所当時の先生とKさんの姿が浮かぶようでした。

 先生からは結婚のお祝いにと手編みのセーターがKさんに贈られました。写真は現在のものですが、43年前に作られたとは思えないくらいきれいで、今も着用可能です。大切にされていることがわかります。Kさんと高橋先生の絆が表れています。

高橋蔦先生から贈られた手編みのセーター

その後、Kさんの娘さんは白壁町にある柳城幼稚園に通われ、親子2代で柳城の卒園生となられました。

Kさんからお話を伺い、本学の歴史の重みを知ると共に、人との出会いやつながりのすばらしさを知ることができました。貴重なお話をありがとうございました。

ご寄贈いただいた園章